オルニチンとは
オルニチンは、タンパク質を構成しないアミノ酸の一種で、主に肝臓でのアンモニアの解毒プロセスに重要な役割を果たします。オルニチンは、尿素回路(オルニチン回路)というプロセスの中心にあり、体内でアンモニアを無毒化し、尿素として排出する役割を担います。また、疲労回復や肝機能の向上にも関与しており、特に肝臓の健康維持において重要とされています。
オルニチンの種類
オルニチンは主にL-オルニチンとして体内に存在しています。L-オルニチンは体内で自然に生成されるアミノ酸であり、サプリメントとしても利用されることがあります。また、食品からも摂取可能です。
オルニチンの働きと効果
- アンモニアの解毒: オルニチンは尿素回路で重要な役割を果たし、体内の有害なアンモニアを無毒化します。これにより、肝臓や腎臓の負担を軽減します。
- 肝機能の向上: オルニチンは肝臓の解毒機能をサポートし、肝機能を向上させる働きがあります。肝炎や肝硬変などの肝疾患に対する補助療法として注目されています。
- 疲労回復: オルニチンはエネルギー代謝に関与し、筋肉疲労を軽減し、運動後の回復を促進する効果があります。
- 成長ホルモンの分泌促進: オルニチンは成長ホルモンの分泌を促進し、筋肉の成長や修復を助ける効果があります。
オルニチンの摂取源
オルニチンは特定の食品に含まれています。以下はオルニチンが豊富な食品の例です。
- しじみ
- 魚介類(タコ、イカ)
- 大豆製品(豆腐、納豆)
- 肉類(特に鶏肉)
- 乳製品(ヨーグルト)
オルニチンの推奨摂取量
オルニチンの推奨摂取量は、個人の体調や目的によって異なりますが、一般的には1日あたり400〜1000ミリグラムが適量とされています。サプリメントとして利用する場合、1日あたり500〜2000ミリグラムが使用されることがありますが、医師や栄養士の指導のもとで摂取することが望ましいです。
オルニチン含有量ランキング(100gあたり)
以下は、オルニチンの含有量が多い食材を100位までランキング形式でまとめたものです。含有量は食材100gあたりの一般的な数値ですので、品種や産地、調理方法によって変動する場合があります。
| No. | 食材 | 含有量(µg) |
|---|---|---|
| 1 | シジミ | 約400mg |
| 2 | ハマグリ | 約350mg |
| 3 | アサリ | 約300mg |
| 4 | ホタテガイ | 約250mg |
| 5 | ムール貝 | 約230mg |
| 6 | カキ | 約220mg |
| 7 | ホンビノス貝 | 約210mg |
| 8 | イカ(スルメ) | 約200mg |
| 9 | タコ | 約190mg |
| 10 | マグロ(赤身) | 約180mg |
| 11 | サバ(焼き) | 約170mg |
| 12 | アジ(焼き) | 約160mg |
| 13 | サンマ(焼き) | 約150mg |
| 14 | カツオ(たたき) | 約140mg |
| 15 | ホタテ(生) | 約130mg |
| 16 | ウニ | 約120mg |
| 17 | カレイ(焼き) | 約115mg |
| 18 | シシャモ | 約110mg |
| 19 | ハタハタ | 約105mg |
| 20 | イカ(生) | 約100mg |
| 21 | タチウオ | 約95mg |
| 22 | アワビ | 約90mg |
| 23 | エビ(生) | 約85mg |
| 24 | カニ(タラバガニ) | 約80mg |
| 25 | ニシン | 約78mg |
| 26 | イワシ | 約75mg |
| 27 | ヒラメ(刺身) | 約70mg |
| 28 | フグ(刺身) | 約68mg |
| 29 | アナゴ | 約65mg |
| 30 | スズキ | 約63mg |
| 31 | ウナギ(蒲焼き) | 約60mg |
| 32 | サーモン | 約58mg |
| 33 | ブリ | 約55mg |
| 34 | メバル | 約53mg |
| 35 | カジキマグロ | 約50mg |
| 36 | サケ(生) | 約48mg |
| 37 | タイ(刺身) | 約45mg |
| 38 | ハマチ | 約43mg |
| 39 | イセエビ | 約40mg |
| 40 | マス(虹鱒) | 約38mg |
| 41 | エゾアワビ | 約35mg |
| 42 | アンコウ | 約33mg |
| 43 | ヒラマサ | 約30mg |
| 44 | コイ | 約28mg |
| 45 | ドジョウ | 約27mg |
| 46 | メジナ | 約26mg |
| 47 | ウグイ | 約25mg |
| 48 | ヒガイ | 約23mg |
| 49 | ウミヘビ | 約22mg |
| 50 | ヤリイカ(生) | 約21mg |
| 51 | シマアジ | 約20mg |
| 52 | コウイカ | 約19mg |
| 53 | サバ(生) | 約18mg |
| 54 | ウグイ | 約17mg |
| 55 | ウツボ | 約16mg |
| 56 | カンパチ | 約15mg |
| 57 | アメマス | 約14mg |
| 58 | イワナ | 約13mg |
| 59 | ナマズ | 約12mg |
| 60 | ニゴイ | 約11mg |
| 61 | ヤツメウナギ | 約10mg |
| 62 | オコゼ | 約9.5mg |
| 63 | ホッケ | 約9mg |
| 64 | マグロ(トロ) | 約8.5mg |
| 65 | マダイ | 約8mg |
| 66 | グレ | 約7.5mg |
| 67 | カマス | 約7mg |
| 68 | カワハギ | 約6.5mg |
| 69 | アイナメ | 約6mg |
| 70 | イセエビ(殻つき) | 約5.5mg |
| 71 | タコ(茹で) | 約5mg |
| 72 | エビ(茹で) | 約4.8mg |
| 73 | スルメ(干し) | 約4.5mg |
| 74 | カレイ | 約4.3mg |
| 75 | ニシン(塩焼き) | 約4mg |
| 76 | アナゴ(煮) | 約3.8mg |
| 77 | シラス(干し) | 約3.5mg |
| 78 | ワカサギ | 約3.3mg |
| 79 | ウナギの肝 | 約3.1mg |
| 80 | ヤマメ | 約3mg |
| 81 | キンメダイ | 約2.8mg |
| 82 | ヒラメ | 約2.5mg |
| 83 | ホタテ(茹で) | 約2.3mg |
| 84 | スズメダイ | 約2.1mg |
| 85 | フグ(鍋) | 約2mg |
| 86 | アサリ(茹で) | 約1.8mg |
| 87 | シジミ(味噌汁) | 約1.5mg |
| 88 | ハマグリ(茹で) | 約1.3mg |
| 89 | サヨリ | 約1.1mg |
| 90 | シシャモ(干し) | 約1mg |
| 91 | カツオ(煮) | 約0.9mg |
| 92 | サバ(煮) | 約0.8mg |
| 93 | サーモン(焼き) | 約0.7mg |
| 94 | ブリ(照り焼き) | 約0.6mg |
| 95 | タコ(煮) | 約0.5mg |
| 96 | ホタテ(焼き) | 約0.4mg |
| 97 | アサリ(焼き) | 約0.3mg |
| 98 | ハマグリ(焼き) | 約0.2mg |
| 99 | シジミ(茹で) | 約0.15mg |
| 100 | ホンビノス貝(茹で) | 約0.1mg |
オルニチンの不足による影響
オルニチンが不足すると、以下のような影響が現れる可能性があります。
- 疲労感の増加: オルニチンが不足すると、アンモニアの解毒が遅れ、疲労感が増加することがあります。
- 肝機能の低下: 肝臓の解毒機能が低下し、肝臓の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
オルニチンの過剰摂取による影響
オルニチンを過剰に摂取すると、以下のような副作用が現れることがあります。
- 消化器系の不調: 過剰摂取は胃の不快感、腹痛、下痢などの消化器系の問題を引き起こす可能性があります。
- 高アンモニア血症: 非常に高用量を摂取すると、体内でアンモニアの処理が追いつかなくなり、高アンモニア血症を引き起こすリスクがあります。
オルニチンと他の栄養素の相互作用
- アルギニンとの相互作用: オルニチンは体内でアルギニンに変換され、アルギニンの効果を補完するため、これらのアミノ酸は相互作用を持ち、共に効果的に働きます。
- ビタミンB群との相互作用: ビタミンB群はオルニチンの代謝を助け、肝機能をサポートします。
オルニチンのサプリメント
オルニチンはサプリメントとして広く利用されており、特に肝機能のサポートや疲労回復を目的として摂取されることが多いです。また、スポーツパフォーマンスの向上や筋肉の修復にも効果が期待されています。
オルニチンの吸収を高める方法
- 空腹時に摂取: オルニチンは空腹時に摂取することで、より効果的に吸収されます。
- ビタミンB群と一緒に摂取: ビタミンB群はオルニチンの代謝を助け、吸収効率を高めます。
オルニチンの歴史と発見
オルニチンは20世紀初頭に発見され、尿素回路において重要な役割を果たすことが明らかにされました。その後、オルニチンの肝機能への影響や、アンモニア解毒作用について多くの研究が行われ、現在では肝臓サポートの補助成分として利用されています。
オルニチンの最新研究
近年の研究では、オルニチンが肝機能の改善や運動後の疲労回復に効果的であることが確認されています。また、オルニチンがストレス軽減や免疫機能の強化に寄与する可能性も示唆されています。
オルニチンに関するFAQ
Q: オルニチンはどのような効果がありますか?
A: オルニチンは肝機能の改善、疲労回復、アンモニアの解毒など、さまざまな効果があります。
Q: オルニチンサプリメントは安全ですか?
A: 適切な量を摂取すれば安全ですが、過剰摂取は消化器系のトラブルや高アンモニア血症を引き起こす可能性があります。
Q: オルニチンを含む食品は?
A: オルニチンはしじみ、魚介類、大豆製品、肉類、乳製品に多く含まれています。
オルニチンを含むレシピ
オルニチン豊富なしじみの味噌汁
- 材料: しじみ、味噌、ネギ、だし
- 作り方: しじみを沸騰したお湯で煮込み、だしを加え、味噌を溶かし、最後にネギを散らして完成です。
オルニチンの保存方法
- 食品の保存: オルニチンを多く含む食品は新鮮な状態で保管することが重要です。しじみや魚介類は冷蔵保存、または冷凍保存が望ましいです。
- サプリメントの保存: オルニチンサプリメントは直射日光や高温多湿を避け、冷暗所で保管することが推奨されます。
オルニチンは肝臓の健康維持や疲労回復に寄与する重要なアミノ酸です。

